東京高等裁判所 昭和41年(う)1331号・昭41年(う)1330号・昭41年(う)1329号 判決
被告人 大塚兼太郎 外二名
〔抄 録〕
検察官の所論は、本件各賭博を原判決が被告人大塚兼太郎、同長谷部佐喜に対しそれぞれ常習賭博と認定すべきにかかわらず、これを単純賭博と認定したのは、証拠の価値判断を誤り経験則に反して事実を誤認したものであるというのであるが、按ずるに、被告人大塚兼太郎には戦後昭和二六年賭博幇助、昭和三二年賭博開張図利、昭和四〇年三月一日賭博の三犯があり、また被告人長谷部佐喜には戦後昭和三九年一二月二六日賭博、昭和四〇年三月二六日賭博の前科二犯があるにもかかわらず、それぞれ本件賭博行為に及んだものであり、本件においてもいずれも短期間に二回連続して賭博行為を反覆しておりかつその賭博においては玄人の賭場で常連や金持の坐るいわゆる「タテ盆」などに席を占め、博徒仲間でいういわゆる「バツタ撤き」の博奕をしたもので、その態様、度数、賭金額、寺銭、顔ぶれなど諸般の状況に徴し被告人らの本件賭博行為はその賭博の習癖が発現したものとみられるから、本件賭博行為は常習賭博と認定するを相当とすべく、原判決がこれを単純賭博と認定したのは事実を誤認したか常習についての法令の解釈を誤つたものであり、この誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決は破棄を免れない。論旨は理由がある。
(久永 宮後 四ツ谷)